アブダビの技術イノベーション研究所がUAE初の量子コンピューターを構築へ

 アラブ首長国連邦のアブダビで量子コンピューターの構築に向けた研究が進められており、このコンピューティングの飛躍的進歩の時代に、当地域を重要な節目へと先導しつつあります。

アブダビの新たに設立された先端技術研究評議会（ATRC）の「応用研究」に特化した支柱である技術イノベーション研究所（TII）は本日、主席研究員のホセ・イグナシオ・ラトーレ教授が率いる量子研究センター（QRC）チームが、バルセロナを拠点とするQilimanjaro Quantum Techの研究者と共同で、アラブ首長国連邦（UAE）の首都に量子コンピューターを構築すると発表しました。

ATRC事務局長のファイサル・アル・バンナイ閣下は、次のように述べています。「私たちは量子コンピューティングの出現と共に、新しい時代の入り口にいます。新薬の発見から新素材の製造、優れたバッテリーの設計、多様な人工知能の応用に至るまで、さまざまな分野で私たちの役に立つこれらの素晴らしい機械の1つの構築に着手できることを誇りに思っています。」

量子コンピューターは、「重ね合わせ」や「もつれ」といった量子力学の現象を利用して、電子や光子のような亜原子粒子（量子ビット、「キュービット」とも呼ばれる）を生成および操作して、世界で最も強力な古典スーパーコンピューターでさえ解決にはるかに長い時間がかかるとされる複雑な計算の実行に資する指数関数的に強化された処理能力を生み出します。

ラトーレ教授は、準備作業はすでに開始されていると説明し、次のように述べています。「プロセスの最初の段階はラボを建設し、設備を整えて、クリーンルームを完全に装備することで、これらはすべて順調に進んでいます。それが完了したら最初のキュービットを準備し、特徴づけて、ベンチマークテストを行います。最初の『メイド・イン・アブダビ』のシンプルな量子チップが、夏の終わりまでに登場することを見込んでいます。」

ラトーレ教授は、超伝導量子ビットやイオントラップ、光量子ビット、スピンドットなど、量子コンピューターを製造するためにはいくつかの技術があり、QRCはグーグルやIBMがそれぞれの量子コンピューター構築に使用しているのと同じ技術である超伝導量子ビットを使用することを選んだと述べ、これは量子コンピューターの規模を拡大するために最適な量子ビット技術をもたらすと指摘しています。

QRCは、技術イノベーション研究所（TII）の7つの専用研究センターの1つです。

技術イノベーション研究所（TII）について

技術イノベーション研究所（TII）は、先端技術研究評議会（ATRC）の「応用研究」に特化した支柱です。TIIは、応用研究と新時代の技術能力に焦点を当てた先駆的で世界的な研究開発センターです。この研究所には、量子、自律型ロボット、暗号、先端素材、デジタル・セキュリティー、指向性エネルギー、セキュア・システムに関する当初7つの専用研究センターがあります。世界中の卓越した人材、大学、研究機関、業界パートナーと協力することで、この研究所は知識人コミュニティーを結び付け、イノベーションの世界的ハブとしてのアブダビとUAEの地位を強化するR&Dエコシステムの構築に貢献しています。

詳細情報については、www.tii.aeをご覧ください。

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量子研究センターについて（QRC）

技術イノベーション研究所（TII）の量子研究センターは、量子通信と量子センサーを進歩させると同時に、MENA地域で量子コンピューターを構築・運用することにより、世界クラスの量子の理論的・実験的研究を開発するために設立されました。当センターはコンピューターの能力と範囲を変革する「量子優位性」の達成に専念し、優秀な研究者の国際チームの専門知識に支えられた先駆的な技術の開発を目指しています。詳細情報については、https://quantum.tii.aeをご覧ください。

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